【比較解説】技能実習生と特定技能の違いって何なの?

協同組合パートナーのブログ担当です。(2023/6/29更新)

「技能実習と特定技能の違いってなんなの?」

ホントによくあるご質問です。

今回は、技能実習制度と特定技能の違いをわかりやすく解説します。

技能実習と特定技能のちがい:設立の目的

技能実習制度は、発展途上国への国際貢献が目的

日本のような先進国で学んだ技術・知識をいずれは母国に持って帰って、母国を発展させる。

これが目的です。

なので、技能実習は「研修制度」であり、お勉強をしにきていると考えることができます。

特定技能は、労働人口不足解消が目的

一方、特定技能は2019年4月からスタートした新しい在留資格。

「新たな外国人材の受入れに関する在留資格【特定技能】の創設について」によると、

目的は”労働人口不足解消”とはっきり書かれています。

つまり「労働力」としての活用なんですね。

技能実習生は「研修制度」

特定技能は「労働人口不足の解消」

設立目的がまるで違うのです。

では、目的が異なると何が違ってくるのでしょうか?

特定技能と技能実習のちがい:労働が認められれている業種

特定技能は、少子高齢化など日本の労働力不足を解消するために作られた制度です。

このため、人手不足が深刻と国が認めた領域に限定されて許可されています。

許可されている分野は、14の特定産業分野

具体的には、以下14業種です。

  • 介護
  • ビルクリーニング
  • 素形材産業
  • 産業機械製造業
  • 電機・電子情報関連産業
  • 建設
  • 造船・船用工業
  • 自動車整備
  • 航空
  • 宿泊
  • 農業
  • 漁業
  • 飲食料品製造業
  • 外食業

実は、この14業種は技能実習2号で認められている業種とほとんど重複しています。

技能実習と特定技能が、「似ていてよくわからない制度」「違いがわからずむずかしい」と混合してしまう理由はここにあります。

特定技能と技能実習2号のちがい:対応職種

ほとんど一緒ですが、大きな違いがあります。

最大の違いは「外食」「繊維・衣服」の取り扱いです。

「外食」は特定技能のみでの取り扱い

「繊維・衣服」は技能実習のみでの取り扱いです。

このため、この2業種で外国人雇用を検討している場合は、

技能実習・特定技能の選択を迷うことはありませんね。

ひとつずつ整理していくことで、特定技能と技能実習の内容を理解できます。

特定技能と技能実習のちがい:資格取得の条件

技能実習生は知識を学びに来ることを目的とした研修制度です。

来日する前には日本語を勉強をしてからやってきますが、日本語能力や専門的な技能がなくても来日できます。

日本語能力能力や技能レベルは問われないのです。

対して、特定技能は、一定の技術を持っている方が技術を活かし、日本で労働を行う労働不足を改善する制度です。

このため、日本語能力テスト、各産業分野でのテストの合格して初めて在留資格を取得できます。

ただし、日本で技能実習を3年間終えた方は、試験が免除。

無資格でも技能実習の実績が認められ、特定技能への移行ができます。

技能実習を終えた方でしたら、実績もあるし、日本文化も慣れているので企業としても安心できますよね。

特定技能と技能実習は全く独立した制度としての利用もできるし、

技能実習から特定技能へ移行することも想定された制度なんですね。

特定技能と技能実習のちがい:賃金の水準

もともとの目的が、技能実習はお勉強、特定技能は労働力です。

ビザを申請するときは特定技能の方が賃金水準が高くないと許可されません。

一般的に技能実習は最低賃金でも許可されます。

しかし、特定技能は日本人と同等以上の給料でないといけないのでその違いには注意しましょう。

特定技能と技能実習のちがい:在留期間

技能実習は一般的には3年間、最大5年間です。

監理団体と企業がともに優良認定をうけることで最大5年間の雇用をすることができます。

特定技能は、基本が5年間、建設と造船については無期限で認められるケースもありえます。

こうしてみると、それぞれのビザ単独ではそこまでの大差はないように思えます。

しかし、先述のとおり、

技能実習を終えて特定技能に移行できます。

技能実習で3年~5年終わってから、特定技能に移行することで

合計で8年~10年就業することができるということですね。

特定技能と技能実習のちがい:転職の可否

技能実習は労働ではなく勉強なので、「転職」という言葉がそもそも当てはまりません。

ただし、もしも賃金不払いなどで実習継続が困難な場合は例外です。

技能実習生を救済するため、別の企業にうつるということもありえます。

あくまで、日本人労働者のようにご自身で仕事を探して転職ということはできない、ということです。

特定技能は、労働という扱いですので転職が認められています。

A社で働くためビザを取得して入国しても、B社のほうがよりよい条件だった

ということであれば、B社で働くことも可能です。

もちろん、申請など書類のやり取りは必要なので、

日本人労働者と同じようにカジュアルに面接して入社というわけにはいけません。

まとめ:特定技能と技能実習のちがい

以上のようなポイントが特定技能と技能実習の大きな違いです。

ここまでで、特定技能と技能実習の大きな違いをご説明させていただきました。

技能実習は、学生さん。

特定技能は、労働者。

安易ですがこうやって考えると、サクッとイメージしやすいと思います。

技能実習と特定技能については、

書類申請・海外での面接

日本人雇用との違いなど

調べだすと難解で、手続きも煩雑に感じると思います。

導入を検討される際は、ぜひ当組合までお気軽にお問い合わせ下さい。

経験豊富なスタッフが対応させていただきます。